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高カリウム血症で徐脈(心停止)?不整脈出現のメカニズム

手嶋泰之・髙橋尚彦:【特集】電解質異常と心電図変化.レジデント. 7(3).2014.

 

前回のテーマ "不整脈を出さずに最大の運動を!ATレベルで運動する理由" で触れたと思いますが、血症カリウム高値により、不整脈が出現します。(↓前回の記事)

aka-nasu.hatenablog.com

 

不整脈といってもいろいろありますが、高カリウム血症で生じるのは徐脈です。ひどい場合は心停止に至るかもしれません。高カリウム血症=徐脈(心停止)と覚えてもらってもいいですが、私はこの暗記ができませんでした。徐脈だっけ?頻脈だっけ?と。

ですので、本日もメカニズムを理解していきましょう。

 

静止膜電位について

心筋細胞は陽イオンであるK+が細胞内外に出入りしています。そして、心筋が活動をしていない状態の心筋細胞内電位(静止膜電位)は、K+が細胞外へ持続的に流出している状態のため、マイナス(-90mV)に保たれます。

 

心筋細胞が興奮すると

細胞内にNa+が急激に流入し、細胞内の電位がマイナスからプラスになることで心筋細胞は興奮します。

 

カリウム血症時の心筋細胞は興奮が遅延する

では細胞外のK+が多いとどうなるでしょうか。電解質の細胞内外の移動には、「濃度勾配」と「電位勾配」の2つがあります。細胞外のカリウム濃度が濃いので濃度勾配により細胞外へのK+流出は減少します。すると細胞内にK+が残留するため、細胞内の電位が上昇します。

次に、本来スムースに流入するはずだったNa+について。Na+はK+と同じ陽イオンです。細胞内の電位が上昇している(陽イオンが多くなっている)状態では電位勾配により、Na+が流入しにくくなります。結果として心筋細胞の興奮が遅延(徐脈)します。

 

前回、ATレベル以上の運動を行うとカリウム値が上昇すると話しました。高カリウム血症の患者に過負荷の運動を行うと心臓止まってしまうかもしれませんね。

 

赤茄子