赤茄子です。
この患者、心不全かも…と思って、ぱっとスクリーニングできますか?
いちいちスタッフルームのパソコンで、既往や血液データの確認するのは面倒です(いや、確認はもちろん大事ですよ!)
今回のテーマは、右心不全の指標となる頚静脈怒張です。以前は、とりあえず頚静脈が張ってれば陽性だね(右心不全やね)と思い込んでいましたが、この答えは△ですね。
45°のギャッチアップ姿勢で確認する
右心不全では、右心房による血液を送り出す機能が低下するため、右心房がうっ血(血液がたまる)し、右心房へ血液を戻す経路である頸静脈もうっ血します。その結果、頸静脈は怒張します。
ただし、この怒張は姿勢によって見えたり見えなかったりします。背臥位(0°)では右心房と頸静脈に高低差がない(水平)ため、右心房のうっ血による影響を頸静脈が受けにくくなります。また、座位(90°)では、右心房と頸静脈の高低差が増大するため、右心不全が生じていても、頸静脈より下の位置でうっ血し、怒張の確認ができなくなります。結果として、45°のギャッチアップ肢位が右心不全での頸静脈怒張を確認しやすいという話でした。
ちなみに、背臥位・座位でも頸静脈怒張が出現している場合は、より確実に右心不全の兆候を示し、程度もよりひどいということになります。
拍動位置の確認も大事
上記で、45°の肢位での確認が大事と説明しました。では頸静脈怒張の有無の確認だけで良いでしょうか?
「高さ」にも注目しましょう。怒張の位置が高ければ、右心不全の状態はよりひどいという解釈になります(より多くの血液がうっ血しているから)。リハビリを進める上では、右心の状態が悪化しているのか、改善しているかを確認して負荷調整を行わなければなりません。怒張位置が昨日よりも高いのか、低くなっているのかを確認できるようにしましょう。
本日はここまで。次回は左心不全の指標を確認しましょう。
赤茄子