職場の見えないストレス図鑑

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いろいろあるけどどれ使う?急性心不全の重症度評価

山下武志(監):THE心臓リハビリテーション. 金芳堂.P11-12. 2020.

岩津弘太郎:心血管理学療法に必要な臨床指標とその意義 –病態の重症度の指標とその解釈について-. 理学療法学. 44(Suppl.3).P88-89.2017 .

 

赤茄子です。

THE心臓リハビリテーション(書籍)を読んでいるため、最近は内部中心になってます(一応次回は別の疾患か基礎にしたいと思っています)。

 

ところで、心不全患者にリハビリを行う時に、何を確認していますか?

「とりあえずバイタル測っとく?」みたいな感じでしょうか。

…間違いでは無いです。しかし、心不全患者の特徴をつかんでおけば、何が落ち着いているか、何が悪化していそうか、など必要な指標がわかるのではないでしょうか。

 

心不全の定義

"心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻し,心室拡張末期圧の上昇主要臓器への灌流不全を来たし,それに基づく症状や徴候が急性に出現,あるいは悪化した病態"

循環器病の診断と治療に関するガイドライン 急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)

 

2つ特徴がありましたね。心室拡張末期圧の上昇(うっ血)主要臓器への灌流不全(低灌流)です。この2つを臨床現場で運動の前・中・後に簡易的に評価できることが必要になります。

 

Nohria-Stevenson分類は非侵襲的で簡易

心不全の重症度評価にはForrester分類、Clinical Scenario分類、Nohria-Stevenson分類があります。

Forrester分類では"肺動脈楔入圧"と"心係数"を求める必要があります。肺動脈楔入圧は心臓にバルーンカテーテルを入れる必要があり、心係数では心拍出量を求めるための別の検査を行う必要があるため、リハビリスタッフの臨床評価としては不向きです。

Clinical Scenario分類はうっ血と低灌流を区別しておらず、どちらかというと医師の治療のための分類のようなものになります。

そのため、リハビリスタッフが臨床現場で評価するためにはNohria-Stevenson分類が一番使用しやすいのではないでしょうか。

 

ちなみに、一番予後が悪いのは言われなくてもわかりますよね?

C(うっ血+低灌流)になります。

 

リスクがある状態なのに運動をしてしまった…運動途中で症状が出ているのに運動を継続してしまった…などとならないように、所見を確認できるようにしておきましょう。

 

赤茄子