職場の見えないストレス図鑑

職場内にある見逃しがちなストレスを紹介するブログ

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腰痛予防に下肢のストレッチ?ハムストリングと腰椎骨盤リズムについて。

本日の疑問

赤茄子です。

医師から「腰痛予防にハムストリングのストレッチ指導しておいて」と指示を受けることがあります。

腰なのにハム?と疑問に思っていた時期もありますが、骨盤(坐骨)に起始を持つため何かしら関係あるだろうと納得…

だめですね。きちんとメカニズムを確認しましょう。

腰痛予防のためになぜハムストリングのストレッチを行うのでしょうか?

正常な体幹前傾は腰椎:骨盤=3:1

本日のキーワードは "腰椎骨盤リズム" です。

これは、体幹屈曲運動を行う際の腰椎屈曲と骨盤前傾の比率を指し、正常では3(腰椎屈曲):1(骨盤前傾)での運動1)になります。

ヘルニアなど体幹屈曲を伴う屈曲型腰痛ではこの比率差が拡大する=腰椎骨盤リズムの破綻が原因とされています。

つまりは、体幹屈曲時の骨盤前傾量が低下し代償的に腰椎屈曲角度が増大することで腰部負担が高まるということです。

では、骨盤前傾量が低下する理由は何でしょうか?

ハムストリングの柔軟性低下は骨盤前傾を低下させる

ある研究では、SLRの角度(ハムストリングの柔軟性の指標)と立位体幹屈曲時の骨盤前傾角度及び腰椎屈曲角度の関係を調査しています。

結論としては、SLRの角度が低い(ハムストリングの柔軟性が低い)者ほど、体幹屈曲20°~40°範囲での骨盤前傾量が低く、腰椎屈曲角度が大きい2)というものでした。

つまり、ハムストリングの柔軟性が低下すると、体幹屈曲時の骨盤前傾量が低下するということになります。

本日のまとめ

  • 体幹屈曲時の腰椎屈曲と骨盤前傾は3:1の比率で生じる
  • ハムストリングが短縮すると骨盤前傾角度が減少・腰椎屈曲角度が増加し、腰椎骨盤リズムの比率差が拡大(破綻)
  • 腰椎骨盤リズムが破綻すると後面筋や組織のストレスが増大

そういえば、最近腰痛いです。もちろんハムストリングはめちゃくちゃ硬い。

赤茄子

1) 岩崎富子, 斉藤昭彦・他:正常人における腰椎部と骨盤の動きの分析.信州大学医療信州大学医療技術短期大学部紀要. 13(2): P25-34,1987.

2) 岡田泰河・他:体幹前屈動作時の脊柱運動とハムストリングの柔軟性の関連性.理学療法の臨床と研究. 29: P71-75. 2020.