本日の疑問
赤茄子です。
起立動作練習をする時にお尻が上がらない患者さん多くないでしょうか?起立する瞬間なので、股関節伸展に関わる大殿筋の瞬間的な活動が大事!と大殿筋の筋力強化をたくさんやったりしてました。
…本当にそれだけ?
わかったつもりで臨床に臨んでいましたが、やはり心配なので、動作分析の教科書を久々に引っ張り出してきたしだいです。さて、どんなことが書いてあったのでしょうか…
離殿開始時に重要なのは大臀筋の股関節外旋作用
結論から申しますと、重要なのは伸展ではなく"外旋"作用だそうです。離殿直前の股関節外旋により大腿骨外旋⇨骨盤が挙上されるそうなのですが、なぜ大腿骨の外旋で骨盤が持ち上がるのでしょうか?
大腿骨頸部には頸体角と前捻角が存在する
上記図にように、大腿骨頸部には125~135°の頸体角と15°程度の前捻角があります。座位姿勢では頸体角の存在により、大腿骨外旋に伴い見かけ上の前捻角が増大します。これは大腿骨頸部が骨盤を挙上させる方向に動く1)ことを意味します。
1) 石井慎一郎(編):動作分析臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践 第1版. 株式会社メジカルビュー社. P155. 2014.
本日の結論と私案
離殿時の大殿筋活動による股関節外旋は大腿骨を外旋させる。大腿骨外旋は大腿骨頸部に存在する頸体角・前捻角の影響により骨盤を挙上させる方向に働く。そのため殿部が挙上する。
外旋に働くような大殿筋筋力強化や、起立動作時の大腿骨外旋誘導、大殿筋介助などが効果的かもしれませんね。
赤茄子