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姿勢変化に必要な機能は?姿勢制御と姿勢筋緊張について。

本日の疑問

赤茄子です。

脳卒中後に全身がだらーんとしている人や、カチコチに固くなっている人をよく見かけませんか?

こういった方は、介助がなければ姿勢を保持することができなかったり、姿勢を変化させることが困難だったりします。

なぜ脳卒中患者は全身がだらーんとしたりカチコチになったりするのでしょうか?

姿勢制御と姿勢筋緊張

上記の疑問を解決するにあたり、姿勢制御姿勢筋緊張について知る必要があります。

姿勢制御

姿勢制御は姿勢の定位安定性の2つから成り立ちます。

姿勢の定位

運動課題に関与する複数の体節間同士の関係、および身体と環境との間の関係を適切に維持する能力と定義されています。

…難しいこと書いてありますね。ちょっと例を出しましょう。

座位姿勢から目の前のりんごにリーチングするとしましょう。

運動課題は「リーチング」になります。

体節間同士の関係…は少しおいておいて、身体と環境との関係は主に視覚・前庭感覚・固有感覚から成り立ちます。

視覚では目標物であるりんごとの距離間を適切に維持するように…

前庭感覚ではリーチに伴う身体の傾きや重力に対して姿勢を維持するように…

固有感覚ではリーチに伴う前足部への荷重に対して姿勢を維持するように…

これらの感覚を元に、姿勢の変化に伴う四肢体節の位置を適切に維持する機能が姿勢の定位と考えられます。

図にするとこんな感じ。

姿勢の安定性

支持基底面と重心(質量中心)の関係で説明するものであり、支持基底面から重心が逸脱しないように制御する能力です。

図にするとこんな感じになります。

この機能はバランス能力とも称されることがあります。

姿勢筋緊張

姿勢筋緊張とは?

姿勢の変化に伴う姿勢の定位と安定性をまとめて姿勢制御と呼ばれます。

姿勢制御が行われる際に、四肢の体節を適切に維持するためには何が必要になるのでしょうか?

不安定な姿勢をとる時、体節もとい関節の位置を維持するためには付着する筋の持続的な緊張が必要になります。

また姿勢の変化に合わせて、筋緊張は高くなったり低くなったりと調整されなければなりません。

例えば体幹筋で見ると下の図のようになります。

このように、姿勢の保持や姿勢変化に必要な筋の緊張を姿勢筋緊張と言います。

姿勢制御に働く内側運動制御系は四肢近位関節・体幹の筋緊張の調整に関わります。

姿勢筋緊張の調整とは?

姿勢制御に関与する内側運動制御系には、促通系抑制系の2つがあります。

本日はメジャーな経路だけご紹介。

《促通系》前庭脊髄路、橋網様体脊髄路

《抑制系》延髄網様体脊髄路

これらの経路の活動の増減によって姿勢筋緊張が調整されます。

脳卒中患者の姿勢筋緊張異常

健常者では適切に姿勢制御が働くと、促通系・抑制系経路の活動のバランスによって姿勢筋緊張が調整され、スムースな運動が遂行されます。

ところが、脳卒中患者では促通系・抑制系活動がアンバランスとなり、姿勢筋緊張が低緊張になったり過緊張になったりします

これらの状態では、姿勢保持自体ができなかったり、姿勢保持できていたとしてもその状態から運動を行うことができなかったりします。

本日のまとめ

  • 姿勢の保持や運動には姿勢制御が必要である
  • 姿勢制御には関節を持続的に安定させる姿勢筋緊張が必要である
  • 姿勢筋緊張は促通系と抑制系のバランスで決まる
  • 脳卒中後は促通系と抑制系がアンバランスになり、低緊張・過緊張が生じる

低緊張・過緊張は脳の障害部位によって分かれそうです。

姿勢筋緊張に関わる脳・神経経路にはどんなものがあるのでしょうか?

赤茄子